もう暗記に頼らない!不定詞と動名詞の見分け方。

このページを読むとわかる事
・不定詞と動名詞の勉強中に悩むtoとingの使い分けを解説
・toは未来の事柄、やり慣れてない事柄を表すのに使う
・ingは過去の事柄、やり慣れた事柄に対して使う

to不定詞の復習

まずはto不定詞の復習をしておきましょう。もう復習は結構!という方は上の目次を開いていただき、第5章からお読みください。
不定詞は「to + 動詞の原形」と言う形を取ることで主に3つの意味(用法)を表します。

名詞的用法

基本的な日本語訳は「~すること」となります。長い語句でもまとめて「~すること」と表せるので、主語として使われることが多いです。

例文

To study English is fun.

(英語を勉強することはおもしろい)

主語が長い場合はとりあえず文頭の主語を「It」で置いといて、後ろからto不定詞で補足します。この場合のItを仮に置かれた主語ということで「仮主語」、to以降の補足した本当の主語の部分を「真主語」といいます。

例文

It is important to study English while you are a high school student. (下線部が実質の主語=真主語)

(高校生のうちに英語を勉強することは重要である)

足 「generic youについて」
この文はいわゆる一般論でこの文章をわざわざ「あなたが高校生のうちに~」と訳し人物を特定するのは不自然ですよね。このようなyouの使い方をgeneric you(一般的なyou)と言い、一般論や常識を言い表すときに使います。

形容詞的用法

形容詞とは名詞を修飾する語句です。そのため「~するための(名詞)」と言った感じで訳します。

例文

I want something to drink.

(私は飲むための何かが欲しい) ⇒ (私は何か飲み物が欲しい)

その他にも「~するべき(名詞)」という訳し方もあります。文脈に応じて使い分けてください。
例文
I have a lot of tasks to do.
(私はやるべきタスクがたくさんある)

副詞的用法

副詞とは名詞以外(主に動詞)を修飾する語句です。そのため、「~するために」と訳すことが多いです。

例文

She study English hard to get a good test score.

(彼女は留学するために英語を一生懸命に勉強している)

※「get a good test score」するために「study Engkish」している

動名詞(~ing)の復習

動名詞の使い方にも大きく分けて3種類あります。

主語としての動名詞

to不定詞の名詞的用法と同じように主語になって「~すること」と訳します
例文
Studying English is fun. (下線部が主語)
(訳:英語を勉強することは楽しい)

目的語としての動名詞

第3文型(SVO)「SはOをVする」で考えるとわかりやすいでしょう。
O(目的語)のところに動名詞(~ing)を使うことで「~すること」と訳せます。
例文
I like walking in the rain.
(訳:私は雨の中散歩することが好きだ)

前置詞の後は必ず動名詞

to不定詞との関連性はあまりないですが、補足しておきます。

前置詞の後ろに動詞を持ってくる場合は必ず動名詞(~ing形)にします。これは前置詞の後ろが必ず名詞というルールに従ったもので、ingにすることでもはや動詞ではない!名詞だ!という理論のようです。だから動名詞という名前にもなっています。

不定詞と動名詞の紛らわしいところ

不定詞と動名詞の紛らわしいところはどちらもほとんど意味が同じところです。特に名詞的用法。学生時代にこんな問題を見たことがあのではないでしょうか。
以下の文をほとんど同じ意味になるように書き換えなさい
Seeing is bilieving. (見ることは信じることだ⇒百聞は一見に如かず)
➡ (   )  (   ) is  (          ) (   ) .
正解はもちろん、To see is to believe.ですよね。でもこれ同じ意味ならどっちかの表現だけでいいですよね?なぜ二通りもの表現があるのでしょう?
不定詞と動名詞の意味やニュアンスの違いは何でしょうか?

不定詞をとるか動名詞をとるかは動詞によって決まる

不定詞と動名詞の違いを説明する前に不定詞をとる動詞と動名詞をとる動詞を整理してみましょう。動詞によって不定詞か動名詞かは決まっているのです。(学校で何度も暗記するように言われた方も多いんじゃないでしょうか?)

目的語にtoをとる動詞
・demand to do ~することを要求する
・desire to do ~することを強く望む
・plan to do ~することを計画する
・offer to do ~することを提案する
・refuse to do ~することを拒否する
・expect to do ~することを予期する
・decide to do ~することを決める
・promise to do ~することを約束する
目的語にingをとる動詞
・mind ~ing ~するのを嫌がる
・keep ~ing ~し続ける
・escape ~ing ~から逃れる
・admit ~ing ~したのを認める
・avoid ~ing ~するのを避ける
・practice ~ing ~するのを練習する
・deny ~ing ~したのを否定する
・suggest ~ing ~するのを勧める
これらの動詞群をみて不定詞と動名詞のニュアンスの違いがわかりませんか?
わかったあなたはかなり勘が良いですよ!

不定詞 or 動名詞?悩んだらこの方法

結論を先に行ってしまうと、
to不定詞は未来のことやまだ行い慣れていないことを示し
動名詞は過去のことや何度も行っている事(行い慣れている事)を示します。
上の動詞群をみて何となくそう思いませんか?
to不定詞の動詞は
plan, expectなどの未来の行動を言い表すものやoffer(相手の今後(未来)の行動を要求する)ものや、desire,hopeといった自分の未来の行動を言い表すものが多いですよね!
逆に、動名詞は
deny ~ing 「~したのを否定する」➡ 過去のことでないと否定できない。
mind ~ing 「~するのを嫌がる」➡ 何度もされていてもしくはしてきて行い慣れているから嫌だといえる
practice ~ing 「~するのを練習する」➡ 一度しかしない練習は練習だと言わないでしょう。行い慣れているから練習です
といった具合で過去のことや過去のこと➡行ったことあること、行い慣れている事を言い表します。
POINT
to不定詞は未来のことや未体験のことを言い表し、動名詞は過去のことや経験済みの事(行い慣れている事)を言い表す
このことが顕著に表れる例があります。rememberとforgetです。

remember to do と remember doingの違い

rememberの場合
remember to do 「~するのを覚えている」
remember ~doing  「~したのを覚えている」
と習ったはずです。
まず「~するのを覚えている」ですが、未来のことを言い表していますよね。例えば次の文を見てください。

I remember to visit her at her hospital.

(私は彼女の病院へお見舞いに行くことを覚えている)

これはまだお見舞いに行ってないわけなので、未来のことを表す文になっています。

反対に動名詞では

I remember visiting her at her hospital.

(私は彼女の病院へお見舞いに行ったことを覚えている)

となり、過去のことを表す文になります。

forget to do と forget doingの違い

forgetの場合
forget to do 「~するのを忘れる」
forget ~doing  「~したことを忘れる」
と習ったはずです。これも不定詞では未来のことを言っており、動名詞では過去のことを言っています。
不定詞の場合このような例文が考えられます。
Don’t forget to post the envelope.
(封筒を投函するのを忘れないでね!)
実際に封筒を投函するのは未来の事なので不定詞を使用します。
動名詞の場合
I forget posting the envelope.
(私は封筒を投函したのを忘れた)
のような形でいかにも過去形のように訳します。
でも、実際このような例文はなんか不自然ですよね。記憶喪失かって感じです。
実際の英文では否定形でこのように使うことが多いです。
I never forget visiting Seattle with my family.
(私は家族とシアトルを訪れたことを決して忘れません)
このように両方使える動詞で不定詞か動名詞か紛らわしいものでも、不定詞が未来、動名詞が過去と言うイメージを持っていれば簡単に理解することができます。
このイメージを持っておけば試験問題で不定詞か動名詞か悩む動詞が出てきても正解することができるようになりますよ!