【子供の英会話は何歳から?】あなたの子供をバイリンガルに育てるには

このページを読むとわかること

・子供の英会話学習は早ければいいというものではない

・子供英会話学習は最低でも小学校高学年から

日本は外国人観光客の爆発的な増加に加え、さらに今年は東京オリンピックで多くの外国人が訪れることが予想されるなどますます日本人に対する英語の需要は増えていく一方です。さらには、社内言語を英語に統一し、入社の段階で英語の資格(TOEICやTOEFLなど)に足切りを設ける日系企業も増えてきました。

このような状況を受け、多くの親御さんが自分の子供をバイリンガルに育てたい、グローバルな人材に育てたいと思っているはずです。しかし、お子さんを早すぎる段階で英語漬けの環境に置くのはリスクがあります。

子供が言語を取得する過程

まず、子どもが言語を習得するまでの流れを簡単に説明しましょう。

赤ちゃんの聴覚は、妊娠6カ月頃から発達し始め、お腹の外の音や話し声を聞けるようになります。生後1歳くらいで意味のある単語を話し始め、2歳になると操れる単語数が爆発的に増え、5歳までには母語の基礎ができあがると言われています。

そこから先は、敬語や難しい語彙、表現などを習得しながら、CALP(認知能力)を育てていくことになります。

このCALPと対になるのが、BICS(Basic Interpersonal Communicative Skills)といわれる日常的な会話(言語)能力です。日本の子供がアメリカに行くとBICSは1~2年で習得しますが、CALPの習得には6~10年かかると言われています。

セミリンガルの危険性

ここで日本語の言語能力が順調に育っている子供がアメリカに行った場合について考えてみましょう。

認知能力が順調に育っている小学生の段階で教育言語が変わると、新言語(英語圏なら英語)でのBICSを身につけながら、日本語CALPの伸長を継続しないと、どちらの言語でも年齢相応に達していない不幸な状況に陥ります。つまり、日本語のCALPを育てながら英語のBICSを育てるマルチタスクの状態が何年も続くことになるのです。

これはお子さんにとってかなりの負担になります。ここで一番懸念されるのは言語がどっちつかずの状態になり、日本語も英語も年相応の能力を身につけないまま成長して、言語的なハンデを背負ってしまう「セミリンガル」の状態です。

セミリンガルとは、2つの言語のどちらでも日常会話はできるものの、抽象的な内容を伝達したり理解したりできない状態を指す。いわば、日本語でも英語でも発音良く日常会話はできるのだが、どちらも学習言語としては中途半端で、ものごとを深く考えることができない。

(中略)

ここから言えるのは、英会話を習わせるのは、日本語が学習言語として確立される小学校高学年以降が望ましいということである。

英語の早期教育に英語の専門家がこぞって反対する理由…「勉強ができない子」量産の危険より

子供の英会話学習は最低でも小学校高学年から

そういった中途半端な状態を避けるためにも、子供の英会話学習は最低でも小学校高学年程度の日本語の言語能力がある程度付いてからにしましょう。

日本人だから日本語は自然にできるようになるだろうとか、現地に行けば現地の言葉を自然に覚えるだろうと安易に考えるのは危険です。大切なのは、自分の子どもに年齢相応の国語力があるかどうかをしっかり見極めること。そして、母語だけでもしっかりCALPを習得させてあげるのが親の一番の責務だと思います。英語学習はそのあとで十分です。

避けるべきは「セミリンガル」。間違いだらけの語学教育より

子供の英会話学習のスタートは?

英語を本格的に勉強しようと思うと文法や単語の暗記が必須になるわけですが、小学校高学年の子供にこれらの勉強を課すのは酷です。しかも、中学校に上がればどっちにしろ英語は必修科目になるので嫌でも暗記することになります。急ぐ必要はないでしょう。

では、小学校高学年のお子さんが英語学習を始めようと思ったときにすることは何か?

 

赤ちゃんが日本語を習得するときを想像してください。

赤ちゃんは日本語のテキストや単語帳を使ってノートに書き出したりする勉強はしてないはずです。

では、どうやって自然に日本語を習得したのでしょう?それは両親や親戚、はたまたテレビから流れてくる日本語を常に聞くことによって理解していきました。すなわち、多聴によって習得しているのです。

このサイトでも以前紹介したように聞き流すだけでも英語特有の周波数に慣れることができ、英語の耳が養われます。単語の暗記や文法は中学校に入ってからの後回しにして、先に英語の耳を鍛えておくだけでも中学校に入ってからのスタートダッシュが格段に良くなります。小学校高学年で英語の勉強を始めようと思ったら多聴から学習を始めて見てはいかがでしょうか?

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参考記事

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