このページを読むとわかる事
・多くの人が疑問に思う過去形と現在完了形の違いを解説
・現在完了形のコアとなる意味は「過去に〜したことがあって、 今の自分になんらかの影響を与えている」
・過去形は「過去に~した」という事実だけを表す
・過去形と現在完了形のどちらを用いるかはその出来事が今にどれだけ影響を与えているかによる→話し手の判断
学校では現在完了形の訳し方として「〜してしまった」 と教わりますが、過去形「~した」とは何が違うんでしょうか? 多くの人が間違えやすいポイントを解説します。
現在完了形の使い方は3通り
現在完了形のコアとなる意味は
「過去に〜したことがあって、 今の自分になんらかの影響を与えている」
です。 それに伴って現在完了形には以下のような3つの用法が生まれます 。
①現在完了形 「経験」
「〜したことがある」という経験を表す用法です。
例文I have been to Hokkaido. (私は北海道に行ったことがあります)
また、この用法は疑問文として用いられる場面も多いです。 この場合はeverという単語を使います。
例文Have you ever been to Hokkaido? (あなたは北海道に行ったことがありますか?)
否定分の場合はneverを使います。
例文I have never been to Hokkaido. (私は北海道に行ったことがありません)
ここに注意
現在完了を用いて「行ったことがある」と言う場合はgo toではなくbeen toを使います。
beenは本来be動詞の過去分詞で、 be動詞は「存在」や「状態」を表す動詞ですが、「 行って帰ってきて今あなたの目の前にいます」という「存在」 を示すためにbe動詞を用いることになっています。
一方でgoの過去分詞goneを用いてgone toと言ってしまうと、「行って帰ってきていない」 という意味になってしまいます。これは「死ぬ」 を婉曲的に意味する表現なので注意が必要です。
全くの余談ですが、マイケル・ジャクソンの個人を偲ぶ曲に「 gone too soon」というタイトルの曲があります。
②現在完了形 「継続」
現在完了形には継続を意味する用法もあります。
この用法では期間を表すfor「〜のあいだ」 や起点を表すsince「〜以来」を用います。
例文I have studied English for 3 years. (私は3年間英語を勉強しています)I have known him since when I was a child. (私は彼と子供のときからの知り合いです)
③現在完了形 「完了」
この用法が今、問題となっている「〜してしまった」 と日本語訳する用法になります。
この用法における現在完了形と過去形の違いを理解するポイントは
ということです。
先程から口を酸っぱくして言っている現在完了形のコアとなる意味 を思い出してください。
過去形と現在完了形のコアとなる意味
現在完了形 「過去に〜したことがあって、 今の自分になんらかの影響を与えている」
過去形 「過去に〜したことがある」という事実のみを表す。( 今の自分に影響を与えているかどうかはわからない)
すなわち、明確な使い分けはなく、 過去に起こった出来事がどれくらい今の自分に影響を与えているか という価値観や主観に左右されるということになります。
現在完了形を用いた方が好ましい場合
しかし、一方で現在完了形を用いた方が好ましい場合というのも存在します。それは
過去の出来事が原因で今現在何らかの影響があることを言いたいとき
です。
先ほどから何度も言っているように現在完了の視点はあくまでも現在にあります。
例文I didn’t eat breakfast. (私は朝食を食べていないという事実だけを表す)I have not eaten breakfast. (私は朝食を食べていないという事実+食べてないのが原因で今空腹であるというところまで想像ができる )
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話し手からすると、過去形の場合は「食べ損ねたんだ」という事実だけが伝えたい場合です。
しかし、現在完了形の場合は「食べ損ねて、今空腹なんだ、もしくは何か影響のあることが今起こっているんだ。現在までその影響を引きずっているんだ」というところまでが含まれます。
もう一つ例文を見てみましょう。
例文I didn’t catch the train in time. (電車に間に合わなかったが、大して影響はなかった。)I have not caught the train in time. (電車に間に合わなかったがためにスケジュールが狂うなど、今にまで何らかの不利益が及んでいる) ※in time:間に合って
現在完了形で”I have not caught ~”と言われた場合は「what’s the matter? Shall I help you with something?」「どうしたんだ?何か手伝おうか?」 と言ってあげましょう。
このように過去形と現在完了形では本人の心情がかなり違うことが あるので、注意が必要です。
また、真偽は不明ですが、アメリカ人は過去形を好み、 イギリス人は現在完了形を好むという話も聞いたことがあります。 国民性の違いでしょうか? このような観点から英会話が学べるようになると面白いですね。