関係代名詞の有名な文”She said that that that that that boy used was wrong”はどうやって訳すの?

このページを読むとわかる事

・日本人なら必ず誤訳する英文” She said that that that that that boy used was wrong ”の訳し方を解説

・関係代名詞thatを見抜けるかがポイント

先日、『日本人なら必ず誤訳する英文』という本を購入しました。

この本の中で何とthatが5回も連続する英文があったので、その英文について紹介します!

ちなみに、この本、普通に買うと1,100円ですが、kindle unlimitedを利用することで無料で読むことができます。kindle unlimitedの会員料金は1か月980円。これだけで元が取れちゃいますね!

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さて、あなたは以下の英文が瞬時に訳せますか?

She said that that that that that boy used was wrong.

 

英文解釈の基本!まずは動詞を見抜くことが鉄則

この英文を見た時に、なんやこのthatの連続!まず、1つ目のthatはこれで、2つ目はこれで…とthatの解読に気が移りそうですが、どんな英文でもまず初めにしなくてはならないのは、動詞を見抜くことです。

なぜ、動詞を見抜くことが重要なんでしょうか?

それは英文の最重要ルール、5文型を考えればわかります。

英文は大きく分けて5種類しかなくて、どれもS+V(=主語+動詞)から始まる。というのが5文型のルールでした。

言い換えると、動詞が見つかればそれ以前はすべて主語と見なすことができるんですね。

 

さて、それでは問題の英文を見てみましょう。

この英文はthat説で2つの節が接続されているので、動詞は2つということになります。あなたはわかりますか?

 

正解はsaidとwasです。

1つ目のsaidは以下のthat節に続くので、「彼女は~と言った」、2つ目のwasは第2文型でよく使われるbe動詞なので、S+V+C(=SがCである)と訳せます。

つまり、この2つのコアとなる意味を両方含む英文が正しい翻訳ということになります。

1つ目のthatについて

では、まず、1つ目のthatから見ていきましょう。

これは先ほど正解を少し言ってしまいましたが、say(言う)に続きthat節を導くthatです。

「She said that S V」で「彼女はSVだと言った」と訳せます。

2つ目のthatについて

2つ目のthatは指示代名詞「あの」を表すthatです。

3つ目のthatについて

3つ目のthatはthatという単語そのものを表すthatです。

なんだよ、そんなのアリかよ!という声が聞こえてきそうですが、前のthatが指示代名詞だったことに留意してください。指示代名詞の後は「あの~」というように名詞が入ります。したがって、thatは名詞として使われているthat。当然、thatに名詞的な用法はありませんから、名詞として使われているthatだと解釈するのが適当です。

つまり、あのthat=that thatということです。この場合、名詞のthatは実際に誰かが使った口から発した、もしくは紙に書いたthatでしょうから、本当ならば”that”もしくはthatというように斜体で書くのが適当かもしれません。

She said that that ”that” that that boy used was wrong.

4つ目のthatについて

4番目のthatが一番の難問かもしれません。

しかし、あのthatと言う風に前に固有名詞が出てきていることに着目すれば簡単。

あのthatと言われても普通は「どのthatだよ?」ってなりますよね?どのthatなのかを後から説明してやる必要があります。そのため、後から説明するための関係代名詞thatが4番目のthatの正体です。

このように抽象的な名詞を後ろから説明する方法を「後置修飾」といいます。逆に日本語は「タイヤがパンクした車」「パンチパーマの男性」のように車、男性の前に語句をつなげて説明することが多いので、前置修飾と言われます。

5つ目のthatについて

関係代名詞thatが見抜ければあとは簡単。

関係代名詞のポイントは後ろに続く英文に抜けがあること。主語が関係代名詞で置き換えられていたり、目的語が関係代名詞で置き換えられていたりするため、ぱっと見その箇所に語句が抜けているように感じます。

そこで、4番目that以降の英文を見ると

that that boy used was wrong

となっています。

どこに抜けがあるか見抜けましたか?

use(使う)という動詞は後に目的語が必要な他動詞です。使うってだけ言われても意味が通じないですよね?「~を使う」という「~を」の部分があって初めて意味が成立します。このように動詞単独で意味が通じない動詞を他動詞といいます。

したがって、usedの後は目的語が抜けている。そのため、関係代名詞によって補われていると考えるのが適当です。

関係代名詞thatは何を表していたんでしょうか?「あのthat」のthatとは何ぞや?を説明していたんでしたね。

したがって、あのthatとは「彼が使ったthat」です。

She said that that that that that boy used was wrongの意味は?

整いました。正解の翻訳は

「彼女はあの男の子が使った”that”は間違いだと言った」

という翻訳になります。

こんなにthatが連続する変な文章なのに、日本語訳してみると案外普通の文章になるのが面白いですよね!

 

これ以外にも日本人が頭を抱えがちな様々な英文がこの本では紹介されています。

精読、文法の確認として、ぜひ読んでみてくださいね!

ここまで読んでいただきありがとうございました。